施工進捗日記 

施工進歩状況のレポートです。 

2010/01/23

みなさんこんにちは、八木の山本です。

木造門型フレームで建てるビルトインガレージの家の建築進歩状況を
お届けしています。

建物の基礎工事から木造門型フレームの建て方や屋根工事、外壁工事、
内装工事など、家の完成までをレポートします。またご覧になった方で何か、
疑問になった事や知りたい事などがありましたらお電話やメール、お手紙でも
結構です。

私、山本までお問い合わせを頂ければどんな小さなことでもお応えします。

尚メールでのお問い合わせはサイトメニューのお問い合わせフォームをご活用下さい。

返事のメールは2~3日くらいの猶予を頂ければ大変有難いです。
また、建築中の建物の見学をご希望される方はいつでもご案内いたしますので、
ご連絡ください。

今日のレポートは、まとめて3点のレポートをしたいと思います。
ここのところ、仕事にかまけて報告が遅くなってしまいました。

3点のレポートは、

1)防腐・防蟻処理剤について
2)1階床下断熱材について
3)屋根の通気と断熱について

今日は、この3点についてレポートします。

みなさん、木造住宅が劣化する原因はどんなものがあるかご存知ですか。

1位は木材腐朽菌による木材の腐れです。

2位にシロアリによる木材の食害です。


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今年で15年になる、あの阪神淡路の大地震では、倒壊した木造住宅の約8割が
シロアリの被害を受けていたという報告が出ています。

この大震災以降は新しい耐震工法や金物工法の開発が進められ、木造住宅は格段に
強固な構造になりました。


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シロアリの被害にあった勝手口のドア。発見が遅いとこのように手遅れになり、
修復には手間と大きな費用が掛かってしまいます。右は壁の中のグラスウール
にシロアリが巣を作った被害です。




しかし、どんなに強靭な構造でも、腐れやシロアリによって土台や柱が被害を受け
てしまったら、まったく意味がありませんし、笑うに笑えない話になります。

これから、家を建てようと計画なさっている方は、家の構造は勿論、重要な事ですが、
シロアリのこともお忘れにならないで慎重にご検討なさってください。

シロアリは、本当に怖いです。厄介なのは、気付いたらすでに手遅れという状態が、
多いということです。

今回、使用される防蟻処理剤のエコポロンという製品は私たちがシロアリ対策の
標準仕様に採用しているもので、数ある処理剤の中では、最も安全な特性を持った
製品かと思います。



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エコポロンは木材の防腐・防蟻処理剤で木材を保護する製品名のことです。


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防腐・防蟻剤「エコポロン」を塗布している様子です。

このエコポロンはシロアリ処理剤の中では高価なものですが、人体への影響と
地球環境に負荷を掛けない、人畜無害な最上級の製品かと思います。



この、エコポロンの主成分はホウ素系のホウ酸塩で天然物から製品化されたもので、
このホウ酸はとてもユニークな化合物で、ダイヤモンドになり損ねたという話があ
ります。ダイヤモンドは、地中からジェット機ほどのスピードで地上に噴出した
高温高圧の物質で、その溶解温度は、3,000℃で、ホウ酸は2300℃で温度が少し
足りなかった。(岩石が1,300℃で、ガラスは、1,100℃で溶解する。)

ホウ酸は、弱酸性で、緩消毒性があり、ホウ酸で目を洗えば、視神経が麻痺して
休まるので痛みや疲れに効果があります。

一方で、シロアリがこのホウ酸塩に触れると細胞壁を通じて細胞内に拡散し、限界
まで達するとエネルギー代謝が停止して死滅します。しかし、シロアリやゴキブリ
は、本能的に身に危険を及ぼす物質には絶対近寄りませんので、どちらかと言うと
ホウ酸から逃げると言った方が正解です。

それでは、私たち人間には安全なのかと言うと、ホウ酸は天然物で、すべての植物に
含まれています。このホウ酸の基であるホウ素は植物の必須微量元素の一つで人も
毎日の食事からホウ素を摂取しています。人間を含めた哺乳動物はもし過剰に摂取
したホウ素は腎臓の働きで体外に排出しますので、毒性は極めて低く、食塩程度と
言われています。

ホウ酸塩のもう一つの特性に、効果が半永久的に持続することです。

元々ホウ酸塩は天然の無機質であり分解される事がなく揮発性もありませんの
で、木材の内部に浸透されていれば、半永久的に持続されます。


私たちは、今日までにいろんな防腐・防蟻対策を実践して来ましたが、これが、
一番という安心して使えるものはなかなかありませんでした。

中には人体に危害を与えてしまう程の猛毒なものもありますので良く勉強しないと
大変な事になります。

製品の選択には、充分な検証が必要かと思っております。
(私たちは、石油系や化学製品は使用禁止にしております。)


次のレポートは1階床下の断熱工事です。


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床下に防蟻断熱材「パフォームガード」が施工された様子です。

この断熱材は一見して、普通の断熱材と何ら変わらない物に見えますが、ただの断熱材ではなくシロアリや害虫が最も嫌うホウ酸が均一に練りこまれた防蟻断熱材です。

先ほどの木材に塗布するエコポロンも同様にシロアリ対策には万全の対策を2重に施していますので、多少は安心出来るかと思います。

私たちは60年という長い年月でやっと家づくりの重要課題に辿り着くことが出来ました。

【私たちの家づくりの三つの重要課題は、一つ家の間取り、二つ家の水蒸気、三つ家のシロアリ】

その重要な課題の一つにシロアリ対策が挙げられますが、このシロアリ対策は建築のプロでもややもすると、あまり気に掛けないで、スッ~と通り過ぎて終わってしまう人が
多々見られます。家を建てる建築のプロならもっと、もっとシロアリの事を知って欲しいと願っています。私たちは、水蒸気君とは充分な会話が出来るようになりましたが、シロアリ君とはまだ会話が出来ませんので、シロアリ君の好物や嫌いなものがいまいち
分かりません。良くわかるまでもっと、もっと勉強を続けたいと思います。


三番目は屋根の断熱と通気のレポートです。


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断熱材が納まっています。一般的な普通の家は屋根断熱までは、あまり
やりません。屋根断熱がメジャーになるには、ちょっと時間がかかるようです。
これからどんどん屋根断熱の家が増えて欲しいですね。


「やまもとのひとりごと」

この家は普通の家なんですか。

可もない、不可もない、一般的な家は屋根に断熱なんてしませんよ。

なんで、この家は屋根なんかに断熱するの?

そうすると、この家は普通の家じゃないのか。

そうです。

どう見たって可もない不可もない、ただ家が新しくなった家じゃないですよ。

でもですよ。

普通に考えると屋根に断熱するのは、おかしくないですか。

世の中でいろんな家が建ってるが、屋根に断熱材を入れてる家なんて見た事ないですよ。

屋根に断熱材を敷くなんて、あまり聞いたことないです。


でも、この家を設計した高橋潤さんという設計士さんは、屋根は一番高いところで、太

陽に一番近いし、夏は、猛烈に暑くなって、冬はガンガン冷やされ、家に住んでいる家

族のことを考えると屋根もキッチリと断熱して、熱が伝わらないようにすれば、夏の冷

房も冬の暖房もよ~く効くので、省エネになりますからなんて、そんな優しい気持ちで

お施主さまにお勧めしたのでしょうかね。

もう一度、じっくり良く考えてみたら、家の外壁には断熱材が入っていて、床下にも断

熱材が入って、なんで、屋根には断熱材を入れないで、天井ウラなん

かに入れるのが良く分かんないよね。この方が可笑しいんじゃないの。屋根に断熱する

方が自然だよね。なんで屋根にしないのかな。わかんない。

だって、日本は

暑くなったり、寒くなったり、季節が年に4回も変わるんで、家の一番高い屋根に断熱す

る方が良いに決まってるじゃん。それじゃ、早く普通の家になると良いのにね。


次回のレポートは木工事の進み具合を報告します。
それでは、またお会いしましょう。八木/山本